ドイツの青年がつくった党
(「海賊党」)とドイツの教育について2011年 10月 2日
評論・紹介・意見
ドイツの「海賊党」ドイツの教育
<すみ子リヒトナー:ドイツ在住>
( 1)PIRATEN党について。
http://www.welt.de/politik/deutschland/article13621815/Jeder-fuenfte-Deutsche-liebaeugelt-mit-Piratenpartei.htmlドイツの青年達が作ったPIRATEN党(海賊党)世論調査で19%のドイツ人がPIRETEN党に投票すると考えられます。因みに緑の党は現在18%の支持です。
9月18日に行われたドイツの首都、ベルリンの市議会(州議会と同格)選挙で、「海賊党」という名前の政党が、初めて州レベルの議会進出を果たしました。 理科系男子が中心で平均年齢は31歳。教育水準が高く、インターネットに詳しい。ネット上のプライバシーの保護とネット利用規制の緩和を訴えている。 小選挙区・比例代表併用制で行われるドイツの選挙は、比例代表での得票率に応じて全議席が配分されるが、5%に満たない政党には配分されない。海賊党は8・9%の得票率で15議席の配分を受けた。うち男性は14人、女性は1人。多くが30歳以下で理工科系の大学卒業です。
選挙前のPIRATEN党の政策はネット規制の緩和、近距離公共交通機関の無料化、無条件で生活所得の保障、選挙権年齢の14歳への引き下げ(現在は18歳)、1学級15人制の確立、学校教育の一部として薬物教育(ハッシシ、マリファナ、エクスタシー錠剤等)を行う等を訴えた。 海賊党が発足したのは5年前で、北欧諸国、特にスウェーデンでネット利用の自由化を訴え、公海上の船から電波ジャックや無許可の海賊放送を行っていたグループが母体になって新党を結成した。それで海賊党と名乗るようになりました。海賊党の動きはその他の欧州諸国にも影響しました。 ベルリンではPiraten(海賊党)党内で党首などが選ばれた状況などが誰でもネットで見られます。情報を隠さない、というところに重点きを起き、無所属党(支持政党なし)の若い人達に人気を得ています。 ドイツでは30歳以下の若者50%が政治に興味を持ち、ネットで政治ニュ-スを見ています。又、飲み屋、喫茶店、誕生会、パーティなどで政治討論がなされています。これは健全な社会作りに青年達が行政に参加していると思われます。
(2)ドイツの教育について。
ドイツ国民は戦時中、ナチスに従ったことを猛反省し戦後行われた思考教育と人間教育-小学校から各科目で<口頭試験>と<筆記試験>があり、<口頭試験>では必ず自分の意見を言わなければいけません。そして、授業はグループ討論が頻繁になされ、他人の意見を聞き、行動する思考教育と人間教育がなされました。又、ナチスがユダヤ人にした残酷な行い、小学生には話をした後、必ずユダヤ人強制収容所Auschwitzの見学。二度と、過去の間違いを繰り返さない為の教育です。又、環境汚染、原発問題、放射能の怖さも学びます。
戦後63年間の思考教育と人間教育は、福島原発事故後、脱原発を政府に要求する25万人デモの行動になりました。30年前に環境汚染反対団体、グリーンピースが出来、NGOができ、Friends of the Earthの団体が、また全国で原発廃止市民団体が作られました。アフリカ、南アメリカ、インド、ロシア、ウクライナ、ル-マニアその他への貧民救済の団体もあります。
これらの行動に参加しているのは1人の人間として、自分達が何をしなければならないか、社会の一員として、何をしなければならないか、を考えたためで、これは、良い国に、良い世界にする為の人間教育、思考教育の結果だと思います。 私は20年前、自分の意見が云えない人間でしたが、ドイツの人々から、社会から学び、今は自分の意見が堂々と言えるようになり、原発廃止、人権を守る市民団体に参加しています。彼らから学ぶ毎日です。人間としての生き方を教えて頂いた、ドイツの国、国民に本当に感謝しています。
sumi.lichtner
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion0629 :111002〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。
[0回]
PR